「ほかの人まだですかねぇ・・・」
ルファが時計をちらちら見ながらつぶやく。

今日は初詣。
ブロントたちと一緒に神社に行くことになったのだが、何しろ参拝人数が多いために散り散りになるものだ。
幸か不幸かわからないが、ルファとミドリはほかの人よりも早く終わってしまった。
そんなわけで、鳥居の前でほかの人たちを待っていた。

「あのさ、ルファ」
そんな中、ミドリがもじもじと赤くなりながらルファに話しかける。
なんですか、といいたげにルファがミドリを見つめる。

「これ・・・・」
ミドリはもじもじとしてルファに黄色い便箋を渡す。
ちなみに便箋のとめるシールはハートシールである。

「・・・・・・」
ルファはどうにもこうにも言いようがなかった。
女心に鈍感、といわれがちなルファでさえ、コレはラブレターの類だ、と悟った。
いや、ハートマークシールの便箋なんかを渡す地点で、傍から見れば愛の告白である。



もじもじしっぱなしのミドリと切り返しのできないルファ。
2人の間に、第三者からは一瞬、2人からすれば永遠ともいえる空白の時間が過ぎたのはいうまでもないだろう。




「・・・・・・ちょっと中身確認させてもらいますね」
バカヤロウ。そこは仕舞ってあとで見るべきだろう。
普通の人なら女心、というものを意識してこう突っ込みたくなるが、何しろルファである。
ミドリが「あ、ちょっと・・・」という言葉を振り切り、ルファが便箋の中身を確認する。



あけましておめでとうございます

今年も宜しくお願いします

ミドリ



中身を確認したらなにも変哲のない、年賀状だった。
どうやら年賀状の渡し方を勘違いしたらしい。

「あの・・・・その・・・・・今年もよろしくな」
ちょっと唖然としているルファにミドリが新年の挨拶をする。
ルファは自分の勘違いに、少しため息をついた。
なんでもない年賀状でこんなに考えていたのか、
そう思うと、だんだんとアホらしくなってくる。

「年賀状、ありがとうございます。でも、年賀状の出し方、間違えてません・・・?」
ルファが少し諭す様にミドリに間違いを指摘する。
「なっ・・・・」
ミドリが、顔を少し赤らめてうろたえる。

「それに、ああいう年賀状の出し方なら、もっと恋愛的な要素を取り入れません・・・?」
もう一発、ルファがミドリにとどめの指摘をかける。
無論、ルファは正論を言ったまでなのだが、恋愛、とか聞いて顔が真っ赤になるミドリには過激な言葉にしか聞こえない。
ここが公共の場であるということも重なり、ミドリは熟れた林檎のように顔が真っ赤になり、目をぱちくりさせる。







「・・・・・この馬鹿野郎ッー!!!」


その後、あまりの恥ずかしさにミドリがルファをブロントたちが来るまで袋叩きにしていたのは、いうまでもない。



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後書き
新年SSの第二弾はみんなのジャスティス、ルミドです。
ギャグチックに恋愛を醸し出してみましたがどうでしょうか。
やっぱ勘違いミドリとノーデリカシールファの相性度の高さは異常です。
実験的ですから、ちょっと描写とか、お許しをorz

 

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