「ルファぁ〜酒もっとぉ〜」
「はいはい」
また始まった。
ルファは一つため息をついた。
ここはとある大学の寮である。
この寮の一室で、とあるサークルが派手に飲み会をしていた。
まあサークル内での飲み会はこの寮内ではいつものことである。
そのため寮の住人、管理人は慣れっこで、誰も苦情を言わない。
それに乗じてとにかく騒いでいた。
サークルの中心人物である金髪の男は酔った勢いで裸踊りをし、
公認カップルの銀髪と赤髪の男女2人ははいちゃつき、(ただし、銀髪の男は嫌がっている模様)
茶髪と青髪の男2人は「ちょっと女を口説いてくる」といって酔っ払い状態で部屋を出て、
金髪の女と背の小さい女は酒を一口飲んだだけで寝てしまった。
そんな中、緑髪した女とチャイナドレスを着た女、そしてルファはいろいろ話していた。
ただ、女二人は普段なら顔が真っ赤になるようなことを話しているのでルファはついていけない。
そのため、ルファは2人に酒を注ぐ役に徹していた。
緑髪の女はミドリ、チャイナドレスを着た女はリンという。
この2人はサークルのなかでも恐ろしく酒が強い。
「はぁ・・・・・」
ルファは2人が大笑いしている間、短くため息をついた。
なんでこんなことにつき合わされているのだろうか。
リンは普段は容姿端麗でいい人なのに、酒を飲むとものすごく面倒なことになる。
ミドリもルファにとっては幼馴染とはいえ、やはり酒を飲むと扱いが面倒くさい。
そんな2人につき合わされたのだから、面倒くさいどころではない
「はぁ・・・・・」
ルファは少し酒を呷り、大きくため息をついた。
どのくらい時間がたったのだろうか。
ルファは少しあたりを見回した。
全員、もう寝ている。
いや、酔いつぶれている。
「さ、て・・・・・」
ルファはお開きか、と呟き、立ち上がった。
「ルファ・・・・・」
と、そのときである。
ミドリの声である。
ルファは「はい?」といって返した。
「寝室連れて行って・・・・」
ルファはその言葉を聞いた途端、脱力した。
ただ、あまり頼まれたことを断らない性のせいか、「はいはい」といって顔をほころばせていた。
「♪〜」
ミドリはルファに手を借りてどうにか歩けた。
酔った勢いだからなのか、こういう状況なのにもかかわらず鼻歌を歌っている
「ミドリさん、そんな僕に体重をかけないでくださいよ〜」
とルファが懇願しても聞かない。
そんなわけで寝室までこういうやり取りが続いた。
ミドリの寝室はとにかくシンプルである。
とにかくベットと机くらいしかないのだ。
服もきちんとそろえておかれている。
「ほら、部屋ですよ。明日は授業なんですからゆっくり休んでくださいね。」
ベットまで連れて行き、そういってルファはミドリの部屋から去ろうとした。
と、そのときだった。
「ふぇ!?」
ミドリがすごい力でルファをベットに引きずり込んだ。
無論、非力で酒を少し飲んでいるルファには抵抗する力なんてない。
ずるずるとベットに引きずりこまれていく。
「一緒に寝よ〜」
ミドリがそういったときには添い寝、という感じでルファはベットにすっぽり収まっていた。
「ルファ・・・・・zzz」
ルファがベットの中に入れられて戸惑っている中、ミドリはそのまま寝てしまった。
ルファはミドリの顔を見る。
可愛い顔だった。
勝気で、ほとんど男と変わらない語調をしているミドリにこんな一面があるなんて・・・・
ルファはしみじみ感じた。
「可愛い寝顔ですね・・・・・」
ルファは呟いた。
もちろん、寝ているミドリに聞こえる訳がない。
ルファは、こういう運命に感謝しつつ、そのまま寝てしまった。
次の朝、「何でお前がここにー!?」と酔いがさめたミドリがルファをたこ殴りしたのはまた別の話
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
チャットで酔っ払ったミドリとルファのいちゃぶりの話題になってちょっとさらさら。
いいですね。ルミド。
性格の対比がよく出ていて、好きなカップルのひとつであります